ISC2 CISSP Report
サービスの品質を支える“人財”の育成を積極的に推進「セキュリティのプロ」としてCISSP資格はパスポート
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
情報セキュリティのフィールドで、高度な知見とスキルに基づいた付加価値の高いソリューションを国内外に提供し続ける、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社。「人材こそがサービス品質の礎」とする同社では、セキュリティに精通するプロフェッショナル人材の育成を重要なミッションとして掲げています。その重点施策のひとつが、CISSP資格の取得推進です。自らもCISSP資格取得者である代表取締役社長の小田島潤氏にCISSP資格の価値と取得メリットについて伺いました。現在、多くのセキュリティベンダーがビジネスを展開していますが、私たちが勝負をしているのは、セキュリティサービスの“品質”です。品質とは、社員一人ひとりのスキルや経験に支えられているものです。社員のスキルを客観的な指標として外部に示すには、第三者資格の取得が非常に重要となります。
そうしたことから、当社は各種資格の取得、なかでも国内外の情報セキュリティ関連資格の取得に力を入れており、社員の資格取得にあたって必要な能力開発や研修費用は原則会社が用意するなど、教育環境の整備に努めてきました。その成果もあって、社員は“セキュリティのプロフェッショナル”として資格取得の必要性を十分に理解しており、自発的に自己研鑚や資格取得に取り組もうとする文化が醸成されています。
そもそもNRIグループ自体が社員を“人財”と位置づけ、プロフェッショナル人材の育成とその能力を最大限発揮してもらうための仕組みや環境作りに力を入れてきました。NRIセキュアテクノロジーズでもOJTやOff-JTによる教育制度の整備だけでなく、自己研鑽のための時間として、一人あたり年間168時間以上を研修の受講や自己学習に充てるように規定しています。これは1ヶ月にならせば2日間に相当しますが、毎月その2日間を使って自己のスキルアップに努めることをミッションとして定めているのです。
幅広い知識を体系付けながら網羅的に習得できるCISSP資格
当社でCISSP資格を評価している点としては、CBK(Common Body of Knowledge:共通知識分野)8ドメインを学ぶことで、セキュリティに関する知識を網羅的かつ体系的に習得できることです。特定の技術分野だけに偏っていては、日々、高度化・複雑化を続けるセキュリティの脅威には対処できません。つまり、サーバーやネットワークからPC、スマートフォンまで、セキュリティ知識と防御のポイントを幅広く理解する必要があります。そうした観点からCISSP資格のCBKはバランスよく配分されているので、幅広く必要な知識を習得できます。また、自分自身の得意な分野と苦手な分野が明確になることもメリットです。例えば、暗号理論は熟知しているけれども、実際にシステムを構築するのは不得手であるとか、逆にセキュリティシステムの構築では経験を積み上げていたつもりが、理論は弱いとか、自分の弱点を再認識するのにも有効です。
このほかにも、CISSP資格は学習を継続しなければ資格を維持できないことも評価ポイントですね。資格を取得すればそれで終わりではなく、常にスキルを研鑽していくためには最新動向について学習を続けていかなければなりません。
CISSP資格はセキュリティのパスポート、担当者全員の取得を目指す
実際、CISSP資格は国際的に非常に認知度が高い資格であり、海外の顧客や取引相手との商談等でも、こちらがCISSP資格取得者であることが分かると、先方は安心するのか、話もスムーズに進みますね。“セキュリティが分かっていることの国際証明 ”と言えるかもしれません。
li>今後、CISSP資格取得者数をどのくらいまで増やしていきたいとお考えですか。 小田島 現在、当社では38名のCISSP資格取得者を擁しています。個人の志向や所属部署によって技術を先に磨くか、ジェネラリストとして高みを目指すかの順序は異なりますが、今後、新卒/中途入社の社員には必須の資格として取得してほしいと考えています。毎年30名ほどの新卒/中途社員を採用していますが、順当にいけば毎年CISSP資格取得者が増える計算になりますね。
とはいえ、現実的には日々の業務との兼ね合いもあって、受験できる人数も限られてしまうのですが、将来的にはNRIセキュアテクノロジーズの一員として“持っていて当たり前”の資格として、セキュリティビジネスに関わる社員は100%の取得を目指していきたいと考えています。
CISSP資格を武器にグローバルビジネスにも積極的に踏み出す
一方、最近ではインターネットへの常時接続機能を装備した「コネクテッド・カー」の登場や、IoT(Internet of Things)等のセンサー技術が製造工場の制御系システムに導入されはじめ、従来のITの範疇にはとどまらないセキュリティ対策に関する案件が急増しています。保護すべき領域がどんどん広がっていく中で、最新のセキュリティにも適応できるCISSP資格は、セキュリティに携わるものにとって“パスポート”とも呼べるものでしょう。グローバル市場へ、そして新しいセキュリティ市場へと挑んでいくにあたり、今後も社員のCISSP資格の取得を積極的に推進していきたいと考えています。一方、当社はCISSP資格を目指すトレーニングビジネスも展開しており、日本のCISSP資格取得者の増加、ひいては世界のさらなるセキュリティ強化に貢献していきたいと考えています。
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 小田島 潤氏 1996年野村総合研究所に入社。2000年NRIセキュアテクノロジーズ株式会社設立と同時に同社へ出向。以降、エンタープライズセキュリティサービス部長、MSS開発部長、MSS事業本部本部長を経て、2015年代表取締役社長に就任。2016年には野村総合研究所経営役に就任、現在に至る。CISSP資格取得者 。 |
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