ISC2認定保持者インタビュー
株式会社KBIZ
代表取締役/マネージングコンサルタント 小熊 慶一郎様,CISSP
試験までの約半年間は、毎日の通勤時に『公式ガイドブック』を集中学習会社の業務自体もセキュリティだったため、まさに“セキュリティ漬け”の生活。 |
NTTデータ勤務時代にネットワーク関係からセキュリティ関連の業務に移ったときのことです。インターネットを利用する上で暗号技術は欠かせません。業務で暗号に携わってみると非常に興味がわくと同時に、セキュリティの専門的な学習が必要と考えるようになった頃にCISSPの存在を知り、受験することを決めました。 私が受験した2002年当時は、現在のような日本語版の試験がまだ整備されていませんでしたので、英語の試験を受けました。CISSPの資格取得者は日本ではまだ少なく30人程度しかいませんでした。受験者は約40人、女性の方もいたことを記憶しています。NTTデータからは私を含め3人受験し、全員合格しました。 当初は、「難しそうだからチャレンジしてみるか」と気構えせずに資格取得を目指しました。その当時、私自身は将来展望として独立志向があり、その際に武器となる資格等を探している時期でもありましたので箔を付けたかったという思いも正直ありました。
分厚いテキストの『CISSP認定試験 公式ガイドブック』も当時は英語版しかありませんでしたので、これを購入しました。電車通勤で片道40分くらいかかっていましたので、この時間を最大限に有効活用し、集中して勉強しました。ただ、分厚いガイドブックを持参し、しかも電車の中で使うのは相当に無理がありましたので、簡単に持ち歩き、勉強できるように各単元等でばらして使いました。余談になりますが、今でも通勤時間は本を読むのに最適だと感じています。 試験までの約半年間、通勤時の学習と共に仕事の業務自体がセキュリティ関連でしたので、ほぼ丸一日セキュリティの勉強に費やしていたと言えるかもしれません。 ちょうど同じ頃、私が所属していた、新川崎にあったNTTデータの事業所が、BSI(英国規格協会)によって規定される、企業・団体向けの情報システムセキュリティ管理のガイドライン「BS7799」を日本で最初に取得しました。日本に当時は審査員がいませんでしたので、英国から呼び寄せ、審査を受けました。対象が組織と個人という違いはあったものの、広い領域(ドメイン)でセキュリティを網羅しているという点では同じですから、CISSP資格所得の勉強にも役立ちました。
資格を保有していることが「勉強熱心で知識豊富な人」の証しCISSP同士は「戦友」のような一体感、仲間意識を共有。 |
当時は、CISSP資格取得者が少なかったので名刺の記載を見て、「これはどのような資格ですか?」とよく尋ねられました。日本にまだ取得者が少ないことや英語の試験が何時間もあることなど資格に関する説明を話題にすることで話も弾みます。資格を保有していると、お客様に対しても「勉強熱心で知識豊富な人」の証しとなるように思います。 実際、資格を維持するためには相応な努力も必要ですし、そのことが仕事の面でもプラスアルファのアピールになります。海外との仕事のシーンではCISSPの資格を取得していることが求められ、特に米国では明らかに見る目が違いますし、仕事に対する信頼度にも差が出ています。現在の当社の事業においても、社内公用語が英語のような外資系の顧客との仕事では先方のエンジニアが来日した時など一目置かれています。
CISSP資格保有者には仲間意識があると感じています。膨大かつ相当難解な試験を受け、合格したということでいわゆる「戦友」のような一体感があります。 CISSPは、IT関連のベンダーにはかなり知られるようになりましたが、一般のユーザー企業にはまだまだ知られていません。ユーザー企業にはセキュリティに関する専門部署やこれに付随する業務が少ないので、これから普及していくのだろうと期待しています。 小さいながらも会社を経営している立場で言えば、CISSP資格取得者を雇用したいと考えています。専門知識の習熟度の高さはもちろんのこと、当社は学習意欲の高い集団でありたいと常々思っていますので、その意味でCISSP資格取得者は最適ではないでしょうか。
インタビューにお答えいただき、誠にありがとうございました。(インタビュー日:2013年11月)